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トップインタビュー『次世代の育成』

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自ら考え行動できる人の育成が病院の生き残り戦略

Q.最近のニュースでは、労働人口の減少や人手不足などがよく言われております。当然ながら医療業界も人材確保が難しい状況にありますが、今後人材の採用や育成などについて、院長はどのようにお考えでしょうか。

向井院長

確かに、安定的な人材確保はどの病院も苦労している状況でしょう。また、多くの病院の管理者は、即戦力となる経験者をできるだけ採用したいと考えています。しかしそのような人材は、なかなか巡り合うことはないので、経験のない方でも時間かけて、しっかり育てることが重要になります。

Q.具体的には、どのような人材に育てることが必要とお考えでしょうか。

向井院長

まずは「自ら考え行動できる人」に育てることになります。さらには「次世代のリーダー」になるところまで視野に入れています。20~30年前は「言われたこと忠実に行う」ことが求められる時代でした。しかし外部環境が急激に変化していく今の時代、職員ひとりひとりが「自ら考え行動できる人」でなくては、病院は生き残っていくことができません。

「若手の支援体制」が自ら考え行動できる人になるカギ

Q.「言われたことを忠実に行う人」と「自ら考え行動できる人」の2つのタイプがあるとのことですが、どういった所が違ったりするのでしょうか。マインドでしょうか?

向井院長

マインドも違うと思いますが、「言われたことを忠実に行う人」の特徴は、与えてもらうことが習慣となっているので、「なにが問題か?」「どうすればいいか?」などを自ら考えることが乏しく、人に教えてもらわないとわからない方が多いように感じます。こういう仕事のやり方を長く続けていると、変化に対する抵抗感が強くなり「改善」という必要な変化でさえ抵抗を示すようになってきます。

「自ら考え行動できる人」は、仕事に対して目的や目標が明確であり、「なにが問題か?」「どうすればいいか?」を常に考えて、あらゆる変化に対して行動することができます。当然、現状を正確に分析して、あるべき姿とのギャップを明確にするスキルも必要です。さらにここから、チーム全体に波及・浸透させて進めていける人がリーダーに必要な事でしょう。

Q.2つのタイプには、そのような違いがあるのですね。では、まだ社会経験の少ない若手職員が「自ら考え行動できる人」になるためには、どのようなことが必要でしょうか。

向井院長

若手職員が「自ら考え行動できる人」になるためには、「本人の努力」と「職場の支援」の二つが大切になるでしょう。

「本人の努力」は、正しく物事を把握して考える癖をつけること、きちんと人の話を聞けること、凡事徹底など、他にも様々なスキルを身に付ける必要があります。また「職場の支援」は、本人の成長になる課題や目標を与えて、モチベーションを保ちつつ目標を達成できるよう職場が支援する環境が必要だと考えています。

若手のモチベーションが、病院を活性化させる

Q.院長が考えられている若手職員への支援は他にはあったりしますか。

向井院長

いくつかありますが、若手職員が自ら考え行動しようとしても周囲の反応を気にして、消極的になってしまう場合も多いかと思います。若手職員の前向きな思いを仕事に活かせるよう、安心してチャレンジしても良い、失敗しても良いと思える環境を整えることが必要です。

また、若い方の仕事に対する価値観や特徴は時代とともに変わるので、今までと同じ指導内容だと思っていた通りに成長しない場合があります。そのため、私たちが若い人の価値観や考え方を理解して、時代に合わせた指導方法へと変えていく必要もあるでしょう。

Q.例えばどういったものがあるのでしょうか?

向井院長

例えば、今の若い方は自己成長(キャリア形成)に関する意識が高いことが、意識調査などで分かっています。個々のキャリア観を理解して支援することで、若手職員が成長につながります。

Q.確かに、成長を実感できればモチベーション向上につながりますし、仕事も楽しくできると思います。

向井院長

モチベーションが高い職員が増えてくれることで、病院全体が活性化できますからね。若手職員を継続して支援することは、本人はもちろん病院にとって良いことになるのではないでしょうか。

➡当院の取り組みポイント

  • 本人の成長になる課題や目標を設定して達成できるよう職場が支援します。(年2回)
  • キャリア形成については、いつでも所属先の上司や先輩に相談できます。
    また、上司と今後のキャリア形成について話合う場が用意されています。(年2回)
  • 学会・研修会などへの参加費用(旅費、宿泊費)や病院推奨資格取得費用の支援など。
  • 病院全体で、若手のチャレンジを応援しています。

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